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2019.3.28
丹治史也さんが平成30年度東北大学総長賞を受賞し、答辞総代を務めました
丹治史也さんが「平成30年度総長賞」を受賞し、さらに東北大学学位授与式(仙台市体育館:3月27日)において、修了生を代表し答辞を述べました。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/graduation/2019/index.html
丹治史也
この度、大学院博士課程での研究成果に対して、東北大学総長賞という名誉ある賞をいただきました。修士課程の2年間、および博士課程での4年間ご指導いただきました東北大学公衆衛生学分野教授 辻 一郎先生ならびに関係諸先生方、研究生活を支援して下さった職員の皆様に、深く感謝申し上げます。また、平成30年度東北大学卒業式では、大学院生代表として答辞を読む機会をいただきました。これは、東北大学公衆衛生学分野の長い歴史の中で初めてということで、身の引き締まる思いで登壇いたしました。
振り返りますと、13年間に渡り、東北大学で生活をいたしました。医学部保健学科看護学専攻に入学し、修士課程への進学、東北大学病院での勤務を経て、博士課程に進学しましたが、それぞれの思い出が鮮明に思い出されます。とりわけ、公衆衛生学分野での研究生活は6年間となり、多くのことを学び、成長させていただきました。
修士課程に在籍していた2011年3月11日には、東日本大震災が発生しました。被災者の健康支援に参加したことをきっかけに、博士課程では、被災者健康調査のデータを用いて研究に取り組ませていただきました。研究テーマは東日本大震災に関連する心理的ストレスの影響に関するもので、震災直後のみならず長期的にメンタルヘルスへの支援を行うことで、身体的な健康問題も予防できることを明らかにしました。
また、修士課程から博士課程までを通して、パーソナリティや心理的ストレスが自殺死亡に及ぼす影響に関する研究にも取り組ませていただきました。博士課程では、世界的な権威であるロンドン大学の研究者と共同研究を行う機会もいただき、大変貴重な体験となりました。
疫学研究では、膨大なデータの収集と分析に多くの時間を要します。私がこれまで不自由なく研究に取り組むことができたのは、公衆衛生学分野の先輩方が貴重なデータを積み重ねてきて下さったお陰です。有り難いことに、私も博士課程では、被災者健康調査、大崎市民健康調査2017、中山プロジェクトと、コホート研究のデータ収集、そしてランダム化比較試験の一連の研究プロセスを体験することができました。そこで感じたことは、ご指導いただいた先生方、ご支援いただいた職員の皆様はもちろん、研究にご協力いただいた地域住民や被災者の皆様への感謝であります。多くの方の尽力があり、初めて研究が成り立つことを実感できたことは、今後の研究生活の糧となりました。
先生方、先輩方、職員の皆様からご指導・ご支援いただいたことを胸に、今後も奢らず誠実に研究・教育に励みたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
