東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻 公衆衛生学分野

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2003年度(平成15年度)公衆衛生学教室同窓会総会

会長挨拶

 教授を拝命して間もなく2年というところなのですけれども、相変わらず挨拶がうまくいかなくて、どうも「スライドなしではしゃべれない症候群」から抜けきらないので、きょうもスライドを使わせていただきたいと思います。
 ただ、スライドを使うことのもう一つの目的は、我々の教室が新しいビルに移ったということを同窓会の先生方にもぜひ見ていただきたいということで、桜の時期が一番きれいだなと思いましたので、大学院生の鈴木寿則君に頼んで、撮ってもらいました。彼は向かい側の厚生病院の駐車場の3階のところまで行って撮ってくれまして、非常にきれいなスライドになりました。
 1号館よりさらに西側ですね、昔のテニスコートがあったあたりにできた10階建ての建物が5号館であります。中を入っていただきますと、右側に図書室、セミナー室などがあります。中に入って左側は、教授室、助教授室、教室員の研究室です。研究室は机が4~6つ並んで、お互いに向かい合っている というような感じで、教授室と助教授室以外はオープンスペースとなっておりまして、普通の会社のような感じです。こちらが秘書さんのスペースです。それから、隣の国際保健との間がコラボスペースといいまして、共同研究室になっております。
 こちら側がリフレッシュルームと言いまして、公衆衛生と国際保健との共有スペースになっています。ここで学位審査ですとか、セミナーを行っています。あるいはフロアーによってはここでお昼を食べたり、調理施設もあります。そういった近代的な建物になっております。

 この教室の1年間、特に研究ですとか、教育、人事、学会などについて簡単にご報告させていただきます。
 まず、同窓会員のおめでたいお話からご紹介させていただきたいのですが、平成15年秋の叙勲で栗原先生が瑞宝中綬章を授与されました。清水先生がこの4月から岐阜大学の医学部長にご就任されました。お二人に対しまして同窓会の方からお花を贈らせていただきました。
 それから、今年からベストペーパー賞をつくらせていただきたいと思います。久道先生の時代はインパクトファクター賞というもので、趣旨は全く変わってないんですが、この1年間にパブリシュされたものでインパクトファクター含めてベストだったものです。今年はポスドクの中谷君が書いた “Personality and the risk of cancer”という論文で、Journal of the National Cancer Instituteというインパクトファクターは14と非常に高い雑誌で、中谷君も相当苦労して、坪野先生の指導のもとで頑張りました。こういった形で実らせて、本当によかったなと、私も思っております。後で、彼にベストペーパー賞の記念品の進呈をいたしますので、スピーチをいただきたいと思います。
 それから、うちの教室員もだいぶ学会のプレゼンが上手になってきまして、学会発表に関する受賞を2人が受けております。1人が大森さんで、老年学会での最優秀ポスター賞です。これは一般演題として申し込みのあった200幾つかについて、プログラム委員会が10題を選びまして、そこで学会当日に実際プレゼンさせた上で、座長が一つだけ選ぶというもので、大変名誉のあるものだと思います。鶴ケ谷プロジェクトの概要に関する話をして、受賞いたしました。
 また、小泉さんですけれども、世界精神科学会と日本精神科学会の合同ワークショップ、これは若手のトレーニング含めたワークショップですが、そこでプレゼンテーションをして、参加者同士で投票し合うということで、これもBest Presentation Awardという賞で、これは70歳以上の高齢者におけるソーシャルサポートと抑鬱との関係、これは実は鶴ケ谷の研究データですが、今回受賞いたしました。
 鶴ケ谷プロジェクトにつきましては、去年の同窓会で詳しくご説明申し上げましたけれども、できあがったばかりの研究ですが学会では既に色々と注目されて、こういった賞もいただけるところまで来ました。
 このお二人には後でごあいさつしてもらおうと思うのですが、記念品の贈呈はいたしませんので、むしろ、こういったものをもとに来年、再来年にベストペーパー賞をもらった方がいいんじゃないかなというふうに思っております。

 それから、教育でいきますと、EBMワークショップといいまして、EBMのスキルを学生に身につけるような講義半分、チュートリアル半分といる新しい試みを始めております。これは日本で初めての試みであると思っておりまして、医学教育学会などでも発表して、皆さんにも評価を受けております。この準備は相当大変な作業で教室員も大変なんですけれども、いずれほとんどの教室員は教育職につくと思いますので、こういう経験も大きな意味があるのではないかと考えております。

 また教官人事でありますが、4月1日付で助手の西野君が休職してFred Hutchinsonがん研究所に留学中です。留学しますと休職になりますので、その補充として助手の栗山君が4月1日付で助手に採用されました。
 それから坪野先生が来年の4月1日付で教授に就任、昇任することが内定しました。これは、東北大学の法学部が主体となって立ち上げております、公共政策大学院というところです。来年の4月1日に開学になりますが、その大学院の教授です。非常に高度な行政官、あるいは行政研究者の養成を目的とするコースで、法学系を中心にしつつも幅広く人材を集めているわけです。坪野先生は最適の人間ではないかなと思っております。ある日、法学部長から私の方に電話が来まして、「実はこうこうこうで、おたくの坪野さんをいただけませんか」というような話が突然来まして、そこからとんとん拍子で進んだわけなので す。そういった意味で今回の人事については私が何か苦労したとか、何かしたということはほとんどないのですが、むしろその途中のプロセスを聞いておりますと、久道先生を始めといたしまして、数多くの方々が応援してくださったということを後で知りまして、先生にこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。

 それから他分野の就職では、大久保君が薬学研究科の医薬品開発構想寄附講座の講師、それから藤田君が障害科学専攻運動学分野の助手と、着々と就職も進んでおります。
 学会関連ですが、これからご講演いただく深尾先生が来年1月に疫学会総会を開催されまして、特別講演を久道先生にお願いすると。その際、学会の奨励賞を荒井由美子さんが受賞します。きょう見えていますので、後で荒井先生からも一言いただこうと思います。
 また、地域がん登録の全国協議会、今度で第13回になりますけれども、一度仙台でお世話させていただいたことがあるのですが、来年また仙台で開催されまして、私どもの方でお世話させていただくのですが、9月2日、3日となっております。ここでもまた久道先生に特別講演をお願いいたしまして、宮城県のがん登録の歴史、そしてがん疫学研究との関わりについてご講演いただくのですが、深尾先生も私も常に久道先生に特別講演をお願いするというのは本当に弟子として、先生には申しわけありませんが、よろしくお願い申し上げます。

 それと新人ですが、懇親会でごあいさつしますけれども、宮本君、彼は加齢研外科から出向です。バングラディシュからアクタル・ムニラさん、それから島津君。この3名が博士過程に入っております。そしてまた、修士課程といたしましては、尾形さんが入りまして、合計4名の方が今年度の新人です。後でまたご紹介があると思います。
 以上、簡単でありましたけれども、教室の1年間についてご紹介したのですが、教室員は皆、非常に忙しくやっておりますけれども、そういったことが今回もご紹介できましたように、例えば坪野先生の教授就任ですとか、数々の人の受賞ですとか、そういった形でまた実っていって、来年もまたいいご報告ができればいいなと願っております。どうも有難うございました。

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