東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻 公衆衛生学分野

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2017年度(平成29年度)公衆衛生学教室同窓会総会

会長挨拶

 それでは教室の1年間を振り返ってみたいと思います。
 先ほど久道名誉会長からお話いただきましたが、今年は多くの方が受賞されました。
 久道先生におかれましては「山上の光賞」と「朝日がん大賞」のご受賞、おめでとうございます。改めてお祝い申し上げたいと思います。
 私は「遠山椿吉記念 第5回健康予防医療賞」をいただくことになりました。遠山椿吉先生は、東京顕微鏡院をつくられた方で、ペストなどの感染症対策に尽力されました。さらに東京の上水道システムをつくり上げて、それを全国に広めたという点で、明治後半から大正時代の公衆衛生の先駆者とも言うべき先生ですけれども、その先生を記念する賞で、日本の公衆衛生において先駆的かつグローバルな視点で優れた業績をあげた個人または研究グループに対し贈呈されるものです。今回の受賞テーマは「健康寿命の延伸に向けた疫学研究と政策提言」ということで、これは教室員が長年にわたって頑張ってくれた健康寿命の研究がこのように評価された訳で、本当にうれしく思っております。皆さんの代表として、来年2月にいただいて来ます。
 それからもう一人、大学院3年の張さんが「平成29年度東北大学藤野先生記念奨励賞」を受賞しました。中国の文豪・魯迅が仙台医学専門学校に留学したときの恩師である藤野先生の思い出を同名の小説に著したことは皆さんご存知の通りですが、それに因んで東北大学は優秀な中国からの大学院留学生に「藤野先生記念奨励賞」を授与しています。今年は全学で4人受賞しましたが、張さんは最優秀でしたので、受賞会場となった大学本部の「魯迅の階段教室」で、まさに魯迅が座って聴講したという椅子に座る特権を許され、また受賞者代表として挨拶しましたが、非常に素晴らしいスピーチをしてくれました。その内容は教室ホームページに載っていますので、ぜひご覧いただきたいと思います。張さんが入学して3年余り経ちますけれども、この間、本当によく頑張って研究してくれまして、教室の中堅としてなくてはならない存在になってくれました。10月から助手になって、来年3月に博士号を授与された後は、4月から助教として頑張ってもらいますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから「疫学会奨励賞」もありました。教室の同窓で現在は国立がん研究センターで活躍している島津先生が受賞されました。もう一人、歯学部の相田先生も受賞されました。相田先生は、同窓ではありませんけれども、我々と共同研究をしたり、抄読会で研究紹介をしてもらったり、我々の大事な仲間であります。今回受賞した4人のうち2人が教室の関係者ということで、これもまた非常によかったなと思っております。

 受賞は以上ですが、今年は国際疫学会がさいたま市で開催されまして、自治医大の中村好一教授が学会長を務められ、私も学術委員長を拝命しておりました。教室員は、オーラル1題、ポスター5題発表しました。私は開会式直後に、世界中の各地域の健康課題を議論するというプレナリー・シンポジウムで、東アジアの健康課題、つまり人口の高齢化について講演いたしました。準備を相当頑張りまして、仲田さんに素晴らしいスライドをつくってもらいました。その結果、私のメッセージが参加者の方々に非常によく伝わったようで、学会期間中いろいろな方から声をかけていただいて、本当に良かったなと思っております。
 論文業績を振り返ってみますと、今年はオリジナルが9本出ました。インパクトファクターが最も高かったのは遠又君の論文で、5.775ですね。次点は海法君で5.660ということで、後でお二人にベストペーパー賞を差し上げたいと思います。海法君の論文については、派遣元である麻酔科の山内教授から本当に感謝をされました。山内先生によりますと、海法君の論文が掲載されたAnesthesiologyという雑誌は麻酔科のトップジャーナルであり、それに大学院生が筆頭著者で論文を載せることは珍しいことだそうで、公衆衛生学分野はすごい教育をしているところだと山内先生から感謝されました。これはもちろん我々の教育だけでなく、海法君がご自分で大変苦労されて成し遂げた業績ですので、ベストペーパー特別賞ということで、お祝いをしたいと思います。
 今年は6人が大学院に入学しまして、さらに中国から劉さんが研究生で入って、来年4月に大学修士課程に入学予定ということで、教室もさらに大きくなっております。

 以上をまとめますと、今年1年は我々がこれまでやってきたことが実を結んでいろんな賞につながったということ、そしてまた、これからの世代をつくっていくような新しい人たちも入ってくれたということで、今年は充実した良い年だったと思っております。
 これは教室員の皆さんのいろんな頑張りがあったお陰ですので、改めて感謝したいと思いますが、さらにもっともっと教室が充実するように頑張っていきたいと思いますので、同窓の先生方のご指導をお願いして、この1年を振り返ってのお話といたします。
 どうもありがとうございました。

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