東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻 公衆衛生学分野

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2005年度(平成17年度)公衆衛生学教室同窓会総会

会長挨拶

 皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 恒例によりまして、この教室の1年間、特に研究、教育、人事、そういったことについてご報告をしたいと思います。

 まず、おめでたい話から始めたいと思います。この1年間で一番おめでたかったことは、南優子先生が東北大学医学部保健学科の教授に就任されたということであります。後で先生からごあいさついただきますけれども、おめでとうございます。
 それと、もう一つ、これは来年の話でありまして、まだ予定なんですが、今、司会をしている栗山講師が日本疫学会の奨励賞を受賞します。今回この奨励賞には5名の推薦がありまして、そのうち選ばれた2人のうちの1人ということで非常に意味のある賞だと思っております。また、振り返ってみますと、奨励賞の第1回の受賞者が、山形の教授になられた深尾先生でした。その次が私で、その次が坪野先生で、その次が国立長寿医療センターの荒井先生、そして栗山先生と、5回目です。奨励賞が始まって今度が10回目ですけれども、10回中5回をうちの教室員がもらっているというのは、コンスタントに、教室が評価される仕事をしているということだと思っています。そしてまた、これまで4人がみんな教授やナショナルセンターの部長になっていますので、栗山先生もそういったレベルを目指して頑張っていただきたいと思います。
 それと、今回、助手になった中谷君が、日本行動医学会の荒記記念賞を受賞することになっております。これは来年の3月なんですが、この荒記記念賞の荒記という方は、荒記俊一先生でございまして、当教室の第2代教授であった鈴木教授の助教授でおられた荒記先生の記念賞ということです。うちの教室としても非常に縁のある賞だということで喜んでおります。

 教室の人事ですけれども、今申し上げましたように栗山先生が助手から講師に昇任になりまして、そしてまた、粟田先生に非常勤講師になっていただきました。粟田先生は精神科の助教授から仙台市立病院に赴任されまして、従来から鶴ケ谷プロジェクトを通じまして大変お世話になっていました。以前、精神科の浅野先生にも非常勤講師になっていただいていましたので、粟田先生にも是非ということでお願いいたしました。また、中谷先生が10月1日付で国立がんセンター東病院から助手になり、精神腫瘍学あるいはメンタルヘルスの疫学ということを、この教室でやってもらいたいなと思っています。今年3月に学位を授与された大森先生が、独立行政法人科学技術振興機関(JST)のポスドクとして教室に残ることができました。そしてまた、先ほどご紹介いたしましたように、南先生が宮城県立がんセンターの疫学部からこちらの教授になられましたので、その後任として助手だった西野先生に行っていただいたと、そういった形で 教室の人事もうまく回っている状況であります。

 恒例のベストペーパー賞ですが、この1年間で最もインパクトファクターが高かったペーパーが、宇賀神先生が学位論文で書いた大迫研究のペーパーなんですけれども、それがArchives of Internal Medicineという非常にレベルの高い雑誌、一般的なジェネラルな医学雑誌、New England、BMJ、JAMA、それに次ぐような非常に評価の高い雑誌に掲載されました。宇賀神先生は学生時代にはいろいろと苦労していたわけですけれども、これが大きな形で実って本当によかったと思います。今日わざわざ宇都宮から来ていただきましたので、ごあいさついただきたいと思います。これがそのペーパーです。白衣高血圧というものは従来はそんなに問題ないと思われていたんですが、長期的に追跡したら、むしろそういったこともリスクになっているということを 世界で初めて報告しまして、非常に高い評価を受けている、そういった研究であります。
 新人紹介ですけれども、これから懇親会で自己紹介してくれると思いますけれども、佐藤文美さんは、仙台白百合女子大を出て、こちらの修士に来て、管理栄養士の資格も取って栄養疫学について一生懸命頑張っています。博士課程では、婦人科から半年間ということで小泉先生が来てくれていまして、朝早 くから夜遅くまで大変精力的に仕事をしていますので、楽しみにしております。また、来年入学予定の福地先生ですが、この方は精神科の先生です。このように、教室の研究も幅が広がっていくのかなと楽しみにしております。また、それぞれから後で自己紹介をお願いしたいと思います。

 私の、この1年間を振り返ってみますと、「介護予防」漬けの1年でありました。これから特別講演をいただきます小坂教授は、実は夏までは厚労省の老人保健課の課長補佐をしておられたんですけれども、小坂先生にも大分助けていただきながら、老人保健事業の見直し、介護予防サービスに関する委員会や研究班などのために大体平均して週2回ぐらいのペースで東京に行っておりました。それで、介護保険の法律改正とか介護予防のモデル事業、具体的なマニュアルの作成などに関わってきました。自分自身の研究の成果をこういった社会的な制度や政策、プログラムに反映できるということは一つの研究者冥利に尽きると思って頑張ってきたんですが、さすがに1年間やってみまして、研究に使える時間がこの1年間ほとんどなかった状況ですので、さすがに疲れまして、一つの仕事が終わったなという気持ちがあります。それをそのままにしておくともったいないので、「介護予防のねらいと戦略」というタイトルで本を書きまして、ちょうど夏休み一月半ぐらいかけて書いたんですが、社会保険研究所から12月末までには出版されることになっていますので、できましたら皆さんにもお送りしたいと思います。そういった形で、先ほど久道先生からもお話しいただきましたけれども、研究の成果を行政や社会に還元して、そしてまた社会の中でも揉まれたものを研究に還元していく、そういった研究と実践とでの循環の中で、これからも研究を進めていければいいなと考えております。また、この教室の諸君も、それぞれの専門分野で頑張ってくれていますので、これからまた楽しみな状況であります。毎年この同窓会の席で、今年はだれが教授になった、だれがこう いうペーパーを書いたと、そういうおめでたい話を毎年皆さんにご報告できることを本当にうれしく思っておりますが、またこれからもご指導いただきたいと思 います。

 どうもありがとうございました。

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