東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻 公衆衛生学分野

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2016年度(平成28年度)公衆衛生学教室同窓会総会

会長挨拶

 久道先生の大変含蓄のあるお話を伺った後で、即物的なお話で恐縮ですけれども、恒例になりました、この1年間の我々の研究、教育、人事について、ご報告したいと思います。

 今年、一番嬉しかったことは、講師の遠又君が長寿科学賞を受賞したことです。これは40歳未満の若手の研究者に授与されるもので、テーマは「日本型食生活は健康寿命の延伸に寄与しうるのか」です。この賞は以前、寳澤篤先生も受賞されていますけれども、寶澤先生は NIPPON DATAでの受賞、遠又君は東北大学のデータでの受賞ということです。今年は、応募者が11人で、彼一人だけが選ばれました。非常に素晴らしい話なので、後でご挨拶いただきたいと思います。
 それから、中国から来ている博士課程大学院生の張さんが、9月に帝京大学で開催されました“Asia‐Pacific Academic Consortium for Public Health”という大きな学会で、Young Oral Presentation Awardを受賞しました。私もその場にいましたけれども、張さんは発表内容を全て暗記して、堂々とした口演を行っていました。終わってからも、多くの人たちに囲まれて質問されていました。非常に高い評価をいただきました。おめでとうございます。
 もう一つ嬉しかったのは、東北メディカル・メガバンク機構が、コホート調査のリクルート目標15万人を達成したことです。栗山先生が7万人、寳澤先生が6万人、それから岩手医大が2万人の調査を行いましたので、合計15万人という目標を超えた訳です。栗山先生も寳澤先生も、本当によく頑張ってくれたと思います。先ほど、久道先生は「師匠を超えてこそ弟子だ」というお話をされましたけれども、まさにそのことだなと思っております。栗山先生と寳澤先生が、私を超えていくような存在になりましたこと、本当に頼もしく思っています。どうぞこれからも頑張ってください。

 ベストペーパー賞です。今年の論文の業績をまとめてみますと、ファーストで書いた論文が、遠又君が5編、杉山君が2編、曽根君、本藏君、張さん、伊藤さんが、それぞれ1編ずつとなっています。その中でインパクト・ファクターが一番点数の高い雑誌はGerontologyで、遠又君の論文が掲載されました。インパクト・ファクターは 5.4。これが長寿科学賞の主論文の一つでもある訳です。
 人事ですが、今年もたくさんの人が入って下さいました。大学院生(修士課程)が鶴見さんと若松さん。陸君が研究生で、来春から修士課程に入る予定です。インドネシアから DIETA NURRIKAさんが、10月から博士課程に入りました。それから高橋麻美さんですが、前から派遣社員として来ていただいていたのですが、今年度から事務補佐員になっていただきました。
 公衆衛生学専攻について、お話しいたします。2015年に開設されまして今年は2年目ですが、順調に進んでおります。これまでの2年間は定員割れが続いていましたが、来年4月入学者の試験では受験者数が定員を大幅に上回りまして、大変優秀な方々を受け入れることができました。公衆衛生学専攻の存在がようやく周知されてきたのかなと、嬉しく思っております。
 最後になりましたけれども、私自身はデータヘルスや健康経営ということを中心に、この一年間を忙しく暮らしてきました。私も年をとってきまして、副研究科長として医学系研究科全体のことを考えたり、健康日本21や健康経営などに関する政策提言を行ったり、エビデンスからポリシーへとシフトしつつあります。基礎医学と臨床医学の最終的な目標は病気の治療方法を解明することだと思うのですが、社会医学の最終的な目標は、エビデンスに基づいて政策をつくり、社会を変えていくことだと思っておりますので、これからも頑張っていきたいと考えている次第です。
 簡単ではありますが、これをもって研究室の1年間の回顧とさせていただきます。

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